2005.3.22:50000HIT Memorial Novel




お子ランチ
NO.081:エロビデオとエロ餓鬼と。NARUTO4P初挑戦。






「おいお前ら、見ろよコレ」
いやらしさを顔前面に湛えたその笑みで、近づいてくる決して呼んだ憶えのない客人その2。
その1は興味津々に、手に持つ長方形の物体を凝視し、その3はだるそうにソファに寝そべりつつもまったく興味がないわけではなさそうに声のした方へと目を向けている。
そんな様をこの家の持ち主であるサスケは温かい湯のみ片手に傍観していた。

「姉ちゃんの彼氏のだけどな、いいだろ?」

約束のブツ。
と、称されたそれは無駄に細かく場面場面が散りばめられた写真の貼りつけてあるパッケージから中身が容易に想像できる所謂エロビデオで。
「まさかそれをうちで見る気じゃねえだろうな」
「あ?お前何言ってんだよ。ここ以外のどこで見るんだっつうの」
「さすがに親いりゃやべーだろ」
「俺んちDVDねえし」
「てめえんとこビデオすらねえじゃねえか」
「知らねえよ。んなモン見る気なら出て行け。カカシかアスマんとこ行きゃ喜んで見せてくれんだろ」
しかももっとたくさん、相当コアなものまで見せてもらえるだろう。
「わっかんないかな〜?俺らだけで見てえんだよ」
「それにほら、18禁て書いてあるってばよ」
「怒られちゃうよなあ、俺ら」
やつらがこれ系方面で怒ることなどまずない。
それをわかっているからこそ、三種三様卑猥な笑みを浮かべているのだ。
「…勝手にしろ」
俺は寝る、とクイーンサイズのベッドにもぐり込んだサスケの姿を横目に、お宝を入手してきた本人が意気込んでプレートにのせたディスクをデッキに吸い込ませる。
「くあ〜、俺ってば緊張してきた」
「男ってみんなこういうの見て抜いてんだろ?」
「うちの父ちゃんだって隠してんのこないだ母ちゃんに見つかって捨てられてたもんよ」
内容よりも、なんだか大人の仲間入りしたような気がして。
むしろそちらの方がわくわくして楽しい。

18禁であるテロップが流れ、作成者の名前が表示され。
いよいよ中身に入る。
おおーっ!という歓声に続いたビデオの内容はどうやら強姦もののようで、たいしたストーリー性のないそれは高校生らしき女が数人の男にワゴン車内へと拉致されたところから始まった。
激しく抵抗する女の悲鳴と、楽しそうな男の声。
寝ようと思ってもそれが耳障りで、サスケは何となく布団の隙間から顔を覗かせていた。
「やっと見る気になった?」
「別に」
目線はこちらには向けずに、シカマルが話しかけてくる。
「いいんじゃねえの?たまにはこういうのも」
「とか言っちゃってさ〜、お前みたいに興味ありませんって顔してる奴に限ってムッツリとかなんじゃ…」
おもしろそうにからかってくるキバの顔面には枕をお見舞いしてナルトの方を見やれば、そこまで真剣になる程のものかどうか問いただしたいくらい画面に没頭していた。
そんな姿に小さな溜息を吐き出してから。
サスケ自身もいつの間にか、初めて見る映像の数々にのめり込んでいった。










それで、全てが終わるはずだったのだ。
この状況は何かがおかしい。
背後からキバに羽交い絞めにされて。
ナルトに圧しかかられて。
偉そうに腕を組んだシカマルに見下ろされて。
思いたくもないが、貞操の危機、とやらに襲われている自分。
そもそもこうなったのも…。





「…なんか、ムラムラしてきたってばよ」

泣きながらも快楽に溺れていく女を見ていたら、可哀相とかそんな陳腐な同情心よりも身体が先に反応してしまうのが男の摂理というものである。
「便所行ってくれば」
「う〜ん」
「見たくねえからそこじゃやんなよな」
そんな会話に心底馬鹿にした視線を送ってやったら、目が合ったのだ。
「何だよ」
「早えーんだよ、このウスラトンカチが」
「何だとー!てめえだっておっ勃ててんじゃねえのかよ?!」
見せてみろと、信じられない行動に出たナルトを追い出そうと必至になっても力ではやはり敵わなくて、ベッドの中へと侵入を果たされる。
「ナルトッ!!!」
「いいじゃんちょっとくらい」
「てめえ、やめろっつってんだよ!!!」
めくられた布団は部屋の隅に放り投げられて、あろうことか抵抗も虚しく下着ごとパンツを引きずり下ろされた。
「やめ…」
「あれ〜、なんともなってない。おかしいってばよ」
「おかしいのはてめえの頭だこの馬鹿!!!」
何をする気なのか、おもむろに伸ばされた指先から逃れるよう、ナルトの肩口に足を置き距離を保とうと試みるも。
「あーあ、やっちまったよ」
「お前相当欲求不満だったんじゃねえの?」
ひょいと持ち上げられた足の裏をざらつく舌で一舐めされ、思わず身を竦めてしまう。
「キバ!んなことやってねえでこの馬鹿を止めやがれ!」
「だってなあ」
「俺らとしても悪くない光景だし」
キバはともかくとしてシカマルまでもが?
くらりときたためか身体の力が一瞬緩まったのを、さすがというかなんというか、本能に目覚めたナルトがそんなことを見逃すはずもなく。
呆気なく大事な部分を絡め取られていた。
「く、そ…」
感じたくもないのに、快楽を知ったことのあるそこはずいぶんと稚拙な愛撫にも簡単に反応を返してくれる。
それはナルトたちの口角を吊り上げるには十分な要素で、あまりの羞恥からサスケの目尻にはうっすらと涙が浮かんできた。
こんな映像を、どこかで見たことがある。
いや、どこかで、なんてもんじゃない。
今ここで、数十分くらい前のビデオの中身である。

「や、めろ…」
「な〜んかサスケってばカワイイ」
ほら、俺と同じになったってばよ、と屈託なく笑うこの表情は見知ったナルトのもの。
しかし…。
「ナルトの口からサスケかわいいねえ」
ギシ…、とベッドを軋ませながら背後にまわってきたキバを心の底から睨みつけるが。
「んな怒んなって」
「しょーがねえだろ、こうなっちまったんだから」
「て、めえら…」
楽しそうに緩められた口元から見て、最初っからこうなることがわかっていたのだろう。
単純なナルトのことだ、頭も身体も単純な造りでできている。
腹が減っていて目の前に飯があれば食うかの如く、興奮して目の前に対象物があれば襲うのだ。
「サスケ」
「くそ野郎どもが…」





そして、今に至る。
確信犯の男二人を吹っ飛ばしてやりたいのはやまやまだが、最早どうすることもできない。
「ナルト、いくらサスケでも何にもしなけりゃさすがに入んねえぜ」
「何?あの姉ちゃんすぐ入れられてたじゃん」
「あれはプロだし女だろ。とりあえず舐めといてやれよ」
「ふざけんな!マジでやる気かよてめえら!!!」
一度、射精してやれば終わりかと思っていたのは甘い考えだったのだろうか。
白濁した液体は腹のまわりから太ももの付け根まで全てナルトに舐め取られ、これ以上ないというくらいの羞恥を味わったというのに。
「お前ばっか気持ちよくなってどうすんだっつーの」
「やめ!シカマルッ!」
乱暴に顎を掴まれ、愛情のまったく感じられない口づけが交わされて。
「いいなー、俺にも後でさせろよ?」
「すぐ逃げる気もなくなんだろ」
そしたら思う存分やってやれ、など背後から馬鹿力で締め上げてくる男に対し信じられない言葉を吐いてくれた。
こいつら全員の相手などしたら、身が持たない。
明日はDランクという名の体力まかせな任務だってあるのだ。
「いっただきま〜す」
「冗談じゃねえよ!離…うあ!」
視界から消えた金髪が、押し広げられた股の間に潜り、くすんだ桃色の秘部へと舌を伸ばしてくる。
狭い腸壁をぬって軟体物が押し入ってくる不快感に鳥肌が立ってきた。
「何よ、気持ちいいんだろ?」
「わけねえ、だろ!」
「ナルト!てめえさっさとしろよ」
俺も我慢できなくなってきたと言いながら、鼻先にある怖いほど白い首筋に口づける。
思った通り、軽く吸い上げただけで痣の残る姿がまた扇情的で、下半身は余計いきり立ってきた。
「お前ってマジ犯罪」
「俺らと似たような任務やってるくせに焼けねえよなあ」
そう言えば、いつだったかいのが自分の腕とサスケの腕を比べて相当へこんでいたような。

「う、あ…」
「なあ、もういいんじゃねえの?」
「指突っ込んでみな」
「うん」
挿し入れられた中指は何の抵抗もなくするりと呑み込まれ、自分の身体もナルト並に簡単な作りでできているのではないかと嫌なことを思う。
「入ったってばよ」
「カカシのが入ってんだ、お前のなんかたいしたことねえよ」
「入れちまえ」
「サスケ、いいな」
いいな、と問われても。
ここに『断る』という選択肢があるとでもいうのか。
どうせ逃げられないのなら、もう無駄に抵抗して痛い思いをする必要もない。
それよりも、何故カカシとのことを知っていると胸倉を捻り上げたい。
「…勝手にしろ」
と同時に侵入してきたものは小さいながらもそれなりの硬度を伴いながら。
がんばって、動いている。
としか感想は述べられないけれど。
「てめえさっさと出して抜けよ!次俺だ!」
「ふざけんな、誰が考えたと思ってんだ」
「このビデオ誰が借りてきたと思ってんだよ!」
「うるさいってばよ!集中できねえだろ!!!」
「阿呆か…」
俺が俺がと騒いでいるうちに射精してしまった客人その1を顔面からベッド下へと蹴り落とし、唖然として黙り込んだその2、その3へと据わりきった瞳を合わせた。
「いってえー!何すんだってばよサスケェ!!!」
「うるせえ、てめえはそこで寝てろ。次、キバ!」
「へ?」
「やらねえなら帰るか?あ?」
「いえ!喜んでやらせていただきます」
一瞬呆気に取られながらも、背後を守ってきた役どころを終え、いそいそとサスケの元へとやってくる。
「じゃ、いくぞサスケ」
「………」
がしっと両肩を掴んでくるその身体は妙に力が入りすぎていて。
もって2・3分といったところだろうか。
「や、べ…マジ最高」
「そりゃ良かったな」
「お前も、もうちょっと、気持ちよさそうな顔しろよ!」
これ以上ないというくらい冷めた瞳で見つめ返してくるサスケに唯一の不満を訴えてみるも。
「だったらてめえの技でそうさせてみろってんだよ!」
「う、あ…!」
言葉の終わりに合わせてガツンと下から突き上げられ、カウント通りにキバもあえなくダウン。
ほぼ同時にすらりと長くて美しいおみ足が鳩尾に決まり、朽ち果て用の無くなった男は床に転がされて。
先に、ただの観客になり下がり正座させられていたナルトと目が合ったのか、照れくさそうに頭をかきながら笑い合っている。
そんな二人などどうでもいいくらい、背筋に冷たいものを感じるのだ。
「チッ!どいつもこいつもクソばっかだな。なあ、シカマル?」
その冷酷な微笑はシカマルだけに向けられている。
嬉しいよりも、恐ろしい。
ほんの少し前までの自分からは考えられないくらい萎えてきた生殖器がまさに今の気持ちを代弁してくれているようだ。
「どうした?元気ないな」
「お前…」
どうしていいのかすらわからず困惑した顔を覗き込まれ、くっと喉の奥で笑われる。
何故、笑われているのだろう。
そもそも当初の予定と明らかに立場が違うだろう。
ここにいる誰もが思っているだろうが、襲う相手を間違えたとしか言いようがない。



やんわりと包み込まれた手の中は温かくて、その巧みな指の動きと舌先に、若さゆえも手伝って幾度となく中心に血流が集まっていく。
「サスケ、頼む…マジで…」
「だめだっつってんだろ」
「鬼か、てめ…」
シカマルのみ、侵入は許されず。
急に先端へと向かって強く搾られただけの刺激に、真の欲求は残されたままもう水で溶いた煉乳のような精液が力なく溢れ出してきた。
「サスケ…」
そして面倒くさそうな溜め息の後。
「今日は終わりだ。帰れ」
「ハァ?!」
思わず口をついた抗議の言葉は鼻で笑われて。
「ちょっと待てよ!そりゃねえだろ?!シカマルばっかいい思いさせやがってよ!」
差別だ!と大声で騒ぐ友人も、何を見ていたのだろう。
男女の枠を外して言うなれば、やつら二人は脱☆童貞を果たし、自分だけチェリーちゃんのままではないか。
「キバ、お前今何つった」
「俺にももっとやらせろよサスケちゃんよ〜」
「俺だってまだこんなだってばよ」
そう言って、嬉しそうに鼻先にぶら下げてくるナルトものは確かにまだ硬い肉に覆われている。
「知るか。終わりだっつんってんだろ、さっさと帰れ」
「え〜、やだってばよ」
「俺だってやだってばよ」
「うるせえな。俺が終わりっつったら終わりなんだよ」
わかったかと、同時に顔を突き出してきたナルトとキバの頬を捻り上げてやった。
「いてててて!」
「やめろって!マジいてえ!」
「お前も何ボケッとしてんだよさっさと帰れ」
「帰れって…なあ」
懇願の意を込めて伸ばした腕も虚しく空中で叩き落とされ、背中を押され、
「うるせえ、帰れっつってんだよ。帰れ帰れ帰れ!」
三人まとめて外に追い出される勢いで。
「サスケ、てめえ覚えてろよ…」
「さあ?どうだろうな」
「待てって!せめて服!」
思い切りはね飛ばされた直後に、背後では有無を言わさず扉の閉まる金属音がして。
「服〜!俺の服返せ〜!!!」
「んなもんいるか!」
再度鉄条門は開かれようとも、洋服だけが全身にぶつかってくる。


「………」
「………」
「………」
「あいつ、やっぱ性格最悪だったな」
「いいのは顔と身体だけだってばよ」
「お、身体も入ったじゃん」
「へへ」
「へへ、じゃねえよ、何で俺だけ…」
よろよろと歩いていれば、キバに馴れ馴れしく肩を抱かれた。
後半だって、力でならどうとでもなったはずなのに。
何故だかできなかった。
襲いにきたはずが逆に食われた感も否めないところがある。
ミイラ取りがミイラになるとはまさにこのことだと、反対側で楽しそうに鼻歌を歌っている金髪は少しでも学習したのだろうか。
「ま、いいじゃん。また…いって!」
上空から降ってきて、スコーンと後頭部に命中したのは例の長方形の物体。
暫し、6つの色の違う瞳で見つめた後。
「またやろうな」
「おう!」



今度は一人で、とそれぞれが心に決めたまま、夕焼けの美しい赤に向かって進む三人であった。










END




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