2003.8.6:10000HIT Memorial Novel




天婦懐石





「あたし天ぷら定食ー!」
「俺も」
「俺もそれ!」

飯処についてすぐ、メニューもろくに見ぬ内に注文していく部下たちに、カカシは恨みがましそうな視線を送っていた。
「キミたち、それって俺へのイヤガラセ?」
「当たり前じゃない!」
ねー、っとサクラとナルトは顔を見合わせ、サスケには冷たく鼻で笑われる。

「俺だってねえ…」
「何だよ。アンタが遅刻してきたお陰で?時間に厳しい依頼人にさんざ説教喰らって?規定外の仕事までさせられて?俺だって何だよ」
言ってみろよ、と胸ぐらを掴まれて。
耳元で美しくも冷酷な笑みをのせたサスケの唇がそう囁いた。
「はい、すいませんでした。今日は俺のおごりです。お好きなものをお好きなだけお召し上がりください」
「もう頼んでるわよ。デザートは何にしようかしら〜vvv」
「俺!俺ね!かき氷食いたいってばよ!」
「天ぷらとかき氷って食い合わせ悪くないか?」
「ナルトだから大丈夫よ、きっとv」
「それもそうだな」
「それ、どういう意味…?」
じゃれ合っているときの姿はこんなにも可愛らしいのに。
サクラを筆頭に、心に悪魔を巣くわせているこの子どもたちは『仕返し』となるといつもの倍は燃えているように感じられる。

大きな溜息を吐いていれば、元気のいいおばちゃんの声とともに強烈な臭いを発するアレが運ばれてきた。
四人がけの席でこう天ぷらに囲まれては臭いの防ぎようがない。
「う゛…」
「カカシ先生つわり?」
「マジで殺しちゃうぞ、ナルト…」
音としてはサクサクと、いかにも美味しそうに聞こえてはくるのだが…。
あの、染み出してくる油の感覚を思い出すだけで吐きそうになる。
「こんなに美味しいのに。カカシ先生食べられないなんてもったいないわよ」
「そうだってばよ。何で天ぷらなんかが食えないの?」
「アタマ同様狂ってんだろ、味覚が」
最後の毒に、温厚なカカシの額にもだんだん青筋が浮き上がってきた。
「あー、のー、ねー!俺だって好きで食えなくなったんじゃないっての」
「じゃあどうして?」

「あれは、俺がお前らと同じピチピチの13歳だった頃…」
憂いを含めて遠くを見つめた途端、同時に「キモ!」と呟いていたナルトとサスケの頬を思い切り捻り上げて。
カカシは天ぷら嫌いになった所以を淡々と語り出したのであった。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「ただいま…」
「おっかえりー!」
暗部として、火影直々に下された任務を終え、くたくたになって帰宅した我が家。
通常ならば帰宅と同時に可愛い忍犬たちに一斉に飛びつかれて、顔中舐めまわされながら無事の生還を喜ばれるところなのだが…。
此処最近、当然のように人の家に居座っている、とある人間によって、その代わりが為されていた。
「カカシ〜vvvあんな危ない任務、無事だったんだねっ!」
顔中舐めまわされはしないまでも、ぐりぐりと痛いほどの頬ずりと共に。
「あんたが命令した任務だろ」

そう、彼はかの有名な、四代目火影様なのである。

「そんなことより、見て。全部俺が作ったんだよ!」
「ふーん、天ぷら」
美味そうだな、とカカシは蓮の天ぷらを摘み上げ、そのまま口に放り込んだ。
「う〜ん…」
不味いこともないが、ちょっと油分が多すぎてべちゃっとした歯ざわりが気になる。
「ま、不味い?」
「不味くもないし…、美味くもない」
途端、頭を抱えて青ざめるという、あからさまなショックの受け方をして仰け反る恩師にカカシはうんざりとした溜息を小さく洩らしていた。
「今日ね、奥様手料理講習会があって、行ってきたんだ」
「それで」
何故『奥様』とつくものにあんたが行ってんだ、という科白はこれ以上落ち込まれても面倒が増えるだけなので無理矢理でも喉元に押し込んでおく。
「天ぷらを習ったから、カカシにも食べてもらいたくて…」

仕事柄食生活が偏ってしまうことを心配して、やってくれているのだろうことはわかっていた。
海老や穴子といった動物性蛋白質の倍は、野菜が揚げられていることからも。
「誰も食わないなんて言ってない」
「え?!」
「それにまた作れば、二度目はこれより美味くなってんだろ」
そう言って、茄子の天ぷらにかぶりつく。
「カカシ!」
今度はパアァっと、飛び散る花弁が目に見えそうなほどの笑顔で、抱きついてこられた。
飲み込んだばかりの茄子が逆流してきそうな勢いで、力まかせに締めてくる。



その日は、何だかんだ毒のある批評を吐きつつも、全てを平らげた。
「可愛いなあ〜、カカシは」
「は?」
眉間にすごい数の皺を寄せつつも、ただ飲み込むわけではなくちゃんと咀嚼して味わっていてくれていることがわかる。
普段の態度が極端に素っ気ないため誤解されがちだが、根はとても優しい子なのだ。
それは自分が一番知っている、と四代目は満足そうにほくそ笑む。
「何だよ気色悪い」
「ああ!もうそういうところ!食べちゃいたいくらい可愛いよカカシ〜vvv」
何の抵抗もできないほどに完璧な体術を駆使され押し倒されて。
ゴチ、と箪笥の角に後頭部を殴打する。
嬉しそうに首筋に顔を埋めている上司を横目でチラリと眺めてから、もうどうにでもしてくれと重い溜息を全て鼻から吐き出したのであった。


「せんせー…」
押し倒したからといって、特段何をするわけでもなく。
よほど天ぷら料理に疲れたのか、すぐに安らかな寝息が聞こえてきた。
起きろ、とその柔らかい金糸に覆われた後頭部を殴ってみたところで期待する反応は得られそうも無いだろう。
そんなことは長い付き合いの中で百も承知。
「あーもー…、俺だって疲れてるってのに…」
仕方なく、無理矢理に目を瞑るカカシであったが、疲労の極地であったのもまた事実で。
四代目同様、数分後にはしっかり、師匠譲りの幼い寝顔を、師匠の隙間から覗かせていた。



しかしこれが、地獄への幕開けの、ほんの序章に過ぎないことをまだカカシは知らないのである。
慰めるためとはいえ、軽々しくも『また作れば二度目はこれより美味く云々』と言ってしまった己の悲劇を…。










「う゛…」
朝っぱらから、油の弾ける音と共に、強烈な油の臭いで起こされた。
「臭…」
折角の任務明けの休日なのに。
ゆっくり寝かせてももらえないのだろうか。

「あっ!起きた?おっはよ〜vvv」
油臭い割烹着を着た、油臭い身体で抱き締められる。
「って…、朝っぱらから何作ってんだよ!」
「え?天ぷらだけど」
「な…」
そんなことはこの充分すぎる臭いで充分わかっていて、聞きたいのは何故朝っぱらから天ぷら何ぞを揚げているのかということ。
「カカシが、場数を踏めば上手くなるって言ってくれたから。やっぱり練習第一だよね!」
「………」
だったら、自分の家で、勝手に練習して欲しい。
「そうそう、俺思ったんだけど、ここに住もうかなあ」
「ハァ?!何言ってんだ!あんたあんな立派な家持ってんだろ」
「でも〜、広すぎて寂しいんだよね〜」
よし、決まり!と、住人の意見は無視して勝手に決定が下されてしまった。
「冗談じゃ…」
「俺、四代目火影なんだよ」
「だから何…」
「火影様の命令が聞けないの?この子は」
ペロリと舐められた右頬を発端に、怒りで体温が上がって行くのがわかる。
「ねっ!いいでしょ?」
ごろごろと、餌をねだる猫のように甘えてくるこの人物が、本当に木の葉隠れの里の火影で良いのだろうか…。
確かに、こんな情けない姿を知っているのは自分だけだとは思うけれど。
むしろ、知りたくもなかった…。



「どう?」
「昨日よりは、カラっと揚がってると思う」
「ほんと!やった〜!!!」
海老の天ぷらを握り箸でそれに刺したまま、万歳しているの目の前の人物は一体いくつのオヤジなんだろう。
思い切り冷たい目で見つめてやれば、急にしゅんと項垂れて。
「やっぱ、まだ不味い…?」
「そう。周りはサクサクしてるけど中がぐちゃっとしてて…」
「してて…」
それ以上は言わないで、と青空をそのまま映し込んだかのような澄んだ瞳が訴えかけてくる。

「不味い!」

二日続けて、しかも朝っぱらから油っこい料理食わせた罰の意を込めて、はっきりと、心を込めて言ってやる。
けれど、四代目も四代目。
『不味い』の『ま』の字を発したところからしっかりと、両手で両耳を抑え込んでいるあたり、何が何でも批判は聞かない気でいる様だ。
「聞けよ」
「ねえっ!キスの天ぷらも食べたら?俺とカカシみたいに〜」
耳は塞いだまま、目をつぶり唇を突き出している。
「わけわかんねえよ!手を離せ!『不味い』って言ってんだよ!!!」
がっ!と、力ずくで両腕を下ろさせ、やっと露出した耳朶に唇をつけて、『不味い』を内耳まで押し込んだ。
なけなしの慰めに、やわらかいそこを甘噛みしてやる。

「あっ!!!」
「スキだらけだな。それでホントにに四代目?」
「またそれを言う〜!!!」
くやしそうに、飛びかかってくる巨体を軽く交わして、さっさと部屋を出るべく玄関の扉に手をかけた。
「じゃあな。俺は出かけるけど、ちゃんと片付けとけよ」
台所を指差して、ころもが散らばっている部分を示唆しながら。
「ええ〜。どこ行くの?」
「あんたみたいに俺は暇じゃないんだよ。じゃ…」
ドアノブを回そうとした所で外側から逆の力が加わり、ガツンと顔面に鉄の扉がぶつかってくる。

「っづ〜〜〜〜〜っ!」
「ねえ、今日は何時に帰ってくんの〜?」
したたかに打ちつけた鼻を抑えて数歩後退したところで、どこまでも能天気な四代目に抱き止められた。
「ねえ、ねえ、ねえってば〜vvv」
「ああもう、うるさい!」


「相変わらず、仲いいな」


頭上から降りかかってきた、冷たい声色に、カカシは背筋に冷たいものを感じながら見上げる。
「あ、おはよ…」
「お前なあ、待ち合わせに遅刻して…、家まで迎えに来てやればこれか」
「ゔっ…」
この、背中に四代目をしょっているような状況では、言い返す言葉も無い。

「今日は俺と一緒にのんびりしようよ〜」
未だ自分ワールドで生きている四代目の脳天を後ろ手に拳骨を振りかざす。
「いた!あ、あれ?アスマじゃない、おはよ〜vvv」
にっこーっと微笑んで、遅い挨拶を交わす火影様に、がっくりと項垂れる二人であった…。



「夕飯、食ってけば?」
カカシがうんざりと、顎で指し示す方向には、楽しそうに鼻歌を口ずさみながら天ぷらを揚げている四代目後ろ姿。
本来ならば二人でナンパに繰り出そうとしていたのだが、朝から色々あって行く気が失せてしまって。
まさか、本当に三人一緒に家でのんびりする嵌めになろうとは思わなかったが。

「天ぷらか。朝もじゃなかったのか?」
「昨日の夜から、俺天ぷらしか食ってない…」
「マジかよ…」
四代目の凝り症は知っているけれど、こんなところにもその症状が現れるとは。
さすがと言っていいのかどうか…。

「あーあ。これから一週間ぐらいずっ…と、天ぷらなんだぜ、きっと」
やってらんねえ、と口では文句を言いつつも、カカシがそれを残すことなく平らげるだろうことも知っている。
アスマとしてはもう、苦笑を洩らすしかない。
「じゃ、いただきます」
「うん!いっぱい食べてってね、アスマv」
「はいー」
アスマがサク、っと掻揚げに齧りつくのを、四代目はおたま越しに恐る恐る覗いている。
「ど、どお?」
「う〜ん…」
もぐもぐと口を動かしつつ、眉間には数本皺を寄せて。
「はっきり言っちゃって。不味…」
その禁句は最後まで発せられることなく、カカシは後ろから唇を塞がれた。

「不味くはないけど…。美味くもないな」

「そ、そんな…」
初めて作った日の、カカシが言ったのと同じ評価だなんて…、まるで全然成長していないみたいな。
「ふっ…」
抑え込んだ腕越しに、小馬鹿にした笑い声が洩れている。
「カカシ…」
「そんないきなり上手くなるわけないだろ」
「はい…」
「なんだかなあ、歯ざわりはいいんだけど」
「ころもが粉っぽいんだよな」


そうそう、と笑い合う子どもたちに、いつか絶大な評価をさせてやろうと、さらなる決意を固めた四代目であった…。





それからカカシの予想通り、天ぷら料理は一週間続き。
さらに続き、続きまくった…。


軽く、二ヶ月が経った頃。
「よォ、お前ら元気かのォー!」
ふらりと現れた、放浪癖のあるその男はカカシ宅に3日ほど滞在した。

「カカシ、お前顔色悪いぞ」
「俺のことは気にしないで下さい…」
最近、常に吐き気が伴うようになったこの身体。
「そうなんですよ先生。カカシったら最近食が細くなっちゃって」
誰のせいだと軽快に天ぷらを揚げているその後ろ姿を睨みつけるが、当人がまったく気づいていないため何の抵抗にもなっていないのが現状であった。
「だめだのォ、お前がついていながらそれじゃあ」
「だから、こうして可愛いカカシのために心をこめて手料理作ってるんですよ〜vvv」
「おお!」
確かに、初日に見て、食すものならばたいそう感激するだろう。
大皿に盛られた豪華な天ぷらの数々。
もうすっかりプロ級に腕を上げたことの証明のような、程よく油の照り返す衣は黄金色に輝いている。
そこから透ける、各々の素材の色がまた食欲を湧かせてくれるのだ。

「お前、料理も腕上げたのォ!」
自来也は美味い美味いを連発し、本当に嬉しそうに天ぷらを次々に胃に収めていく。
半ばうらやましい気持ちでそれを眺めていれば、いつの間にか目の前に仁王立ちとなっていた四代目に、肩をがしっと掴まれて。
「さ、カカシもv」
「俺、今日はもう…」
「昨日もそう言ってあまり食べなかったじゃない!」
「うわ!」
一瞬の隙を疲れて、柱に縛りつけられた。
「はい。あーんv」
「鬼かあんたは!!!」
健康に気遣ってくれるならば、この胸焼けを起こす胃袋を心配して欲しい。
言っても、わからないだろうけれど。
だいたい、同じ量を同じ月日同じに食し続けて、何故飽きもしなければ体調も崩さないのか。
そちらの方がずっと奇怪である。



「カカシ、もしかしてこれ…、ずっと天ぷら食っとるのか」
「…はい」
二ヶ月ほど、と付け足せば自来也からひどく疲れきった溜息が聞こえてきた。
「がんばれよ。ワシがグラタン嫌いになったのも似たようなモンだ」
「え゙…」
あれは半年続いてのォ…、と涙ながらに語られた苦労話がぴったりと重なる、今のこの状況。
半年間天ぷらもきついが、半年間グラタンもそうとうきつかっただろう。
どうしてあの師匠はこってりしたものにハマってくれるのだろうか…。

その後、滞在期間中は何も文句を言うことなく天ぷらを食し。
「これ以上好き嫌いは増やしたくないんでな」
などともっともなことを言いながら自来也は出ていった。


客がいれば自分の食い分が減るからいいのだが、もう木の葉の者で家に飯を食いにきてくれるものはいないのである…。
みんな、数回来ては去っていた。



そんなときの、頼みの綱はこいつしかいない。
「おい、俺と勝負したいんだろ?今日も我慢比べ、しようぜ…」
背後から、頚動脈にクナイを突きつけて。
「カ、カカシ…。もう我慢比べは勘弁してくれ…」
ガイは大量の涙を流しつつ首を横に振っている。

「いいから、来い…」
「NO〜〜〜〜〜!!!」
じたばたと暴れる抵抗も虚しく、大切な全身タイツを引きづられながら。
木の葉の谷にガイの悲鳴がこだまする日が、何日も続いたという。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「ってなわけで〜、結局それが俺の場合も半年続いたわけよ」
もう飽きちゃった、と菜箸が放り投げられた瞬間はこの世のものとは思えぬ喜びを味わったのを、今でもしっかり覚えているのだ。
忘れもしない、あの後に自分で茹でたかけ蕎麦の美味かったことといったら…っ!

くうっ!と煙草を指に挟んだまま熱くなったのだろう、目頭を押さえている。
「ね、天ぷら嫌いになる理由がわかったでしょ?だからお前たちももっと俺に優しく…」
特にサスケくん〜vvvと肩に手を回し、もはや日課であるセクハラを交わそうとしたところ。
ぎゅうっと、器用に手の甲を箸で抓まれた。
「四代目と昔のあんたって、今のあんたと俺みたいだな」
「へ?」
「なんかちょっと想像と違ったわー」
がっかり、というのではなくて、近寄りがたかったイメージから親しみ易いものへと変わったような。

「いや、そっちじゃなくてさあ!」
話の主役は多大なる苦痛をまさに味わった自分の方だったのに。
「カカシ先生のことなんてどうだっていいってばよ。やっぱ四代目ってなんかすげー」
俺の憧れだってばよ、と太陽のように笑う様が、恩師の面影と重なる。
5歳の頃、ゼリーの中で泳ぎながらゼリーをめいっぱい食べたいと可愛らしい夢を七夕の短冊に吊るした所。
明日、四代目お手製の1tバケツに作られたイチゴゼリーの中に放り込まれ、命からがら、崩れ落ちてくる赤い壁を胃の中に収めつつ脱出口を掘り進んだ思い出までもが蘇ってきた。
あれから、甘いものが苦手分野になったのは言うまでもない。
「本当、懐かしいな。ナルト…」
「ぎゃーーーーー!!!い、痛ってえ!!!」
わし掴みにされた頭蓋骨からみしみしと嫌な音が聞こえてくる。
「離せってばよー!!!カカシ先生っ!」
力づくでその腕をどかそうとも、びくともしないのだ。

「もう、ナルトに絡むのやめなさいよ」
「大人げねえんだよ、ガキ」
「そーだぞ!このショタコンオヤジ!」
「………っ!!!」


教師を教師とも思わないこれら言い草は、かつての自分がしていたもの。
それでもいつか、今の自分のように恩師を敬う時が来るのだ。

…と、そう心に言い聞かせ、カカシはぐっと押し黙る。
テーブルの下では震える指に握りしめられた湯呑みが、粉々の破片となって飛び散っていた…。










END




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