2003.7.23:Happy Birthday SASUKE
ホワイトクリームケーキ 毎年誕生日には、母さんが手作りのショートケーキを作ってくれた。 生クリームたっぷりで、甘い真っ赤な苺がこぼれんばかりに乗せられていて。 父さんがいて、母さんがいて、当たり前のことなのに毎年増えていくローソクの数を嬉しそうに見つめていた。 暗い部屋で優しく灯る炎を吹き消すのを、隣で微笑みながら見ていたのは、兄さん…。 「あんた、ケーキなんか作ったことあんのかよ?」 「俺をナメんじゃないよ〜?天才忍者は何だってできちゃうの」 「よく言う」 フンと鼻で笑って、キッチンに立つ上司の背中から目線を外す。 「今日お前誕生日なんだってね」 サクラに聞いた、とカカシは言った。 そうだ、と答えれば、いつもどうやって過ごしてたんだと聞かれて。 昔話をしてやれば、イタチのところで言葉に詰まった俺の頭をいつものように乱暴に掻き回し、頬に擦り寄ってくる。 それで、突然、『今年からは』俺がケーキを作ってやるよと言い出したのだ。 「ねえ、生クリームってさ、オイシイよね。俺甘いモンは嫌いだけどコレは好きだなあ」 「甘いモン嫌いでケーキ作って食えんのか?」 一人で食べるのはちょっと寂しいものがある…。 「あ、平気。甘さ控えめに作ってるから」 「そうか…」 それにしても、さすが独身というのだろうか、響いてくる音だけ聞くとかなり手際よくやっているようだ。 出来上がるまで側に来るなと言われていたが、ちょっとくらいならいいだろう。 抜き足でこっそりと、サスケはカカシの背後に立ってみた。 絶対気付いているはずなのに、振り向こうとはしない。 理由はわからないがまあいいかと、ボールの中を覗き込めばフワフワの生クリームがすでに仕上がっていて。 先ほど入れたばかりだがオーブンからはスポンジの焼けるいい匂いが漂っているのだ。 「すげえ…。あんたって、どうしようもないくせにホント何でもできるんだな」 「どうしようもないは余計でしょ」 はい、味見、と指先につけたクリームをサスケの唇に押しつける。 「ん!」 「どう?これくらいの甘味でよろしいでしょうか」 「ん〜…、いいんじゃねえのか?」 唇についた部分もペロリと舐め取り、味についても舌触りについても文句無いことを伝えた。 「あ、そう」 カカシも、クリームがついた指を咥えている。 あーヤバイ、下半身がムズムズしてきた…。 案の定、ではある。 だから出来上がるまで来んなって言ったのに…。 何度同じような目に合おうとも、何度でも襲われるのがサスケなのだから仕方ないけれど。 ま、いっか。 まだ、我慢の限界ではない。 股間も、そう外から見てわかるほどには己を主張していないはずだ。 「じゃ、スポンジ焼けたらクリーム塗って苺乗っけて終わりだから。あっち行ってなよ」 「俺もデコレーションやりたい」 クリームで薔薇とか豪華な模様付けてくやつだろ?!とサスケは目を輝かせてくる。 「ダメ。それに素人がそんなゴージャスなモン作れるワケないでしょうが」 「あんた天才忍者なのに?」 「残念ながらケーキ職人じゃないのよね〜」 「ケーキ職人のスパイになるときどうすんだよっ!」 「あっ!コラ!!!」 絞り金にせっせと詰め込んでいた最中だったのに、膨らんだ袋を思い切り握られれば否応なしにぶしゅっ、と吹き出す生クリーム。 咄嗟に、自分には吹きかからないよう、サスケの方を向けていた…。 「う、わ…!何すんだてめえ!!!」 「何すんだって、お前ね…」 「べたべたじゃねえか…」 せっかくの黒髪も、黒い服もべったりと白く汚れて。 ただ、クリームが飛び散っても直、透きとおるような肌だけはその美しさを誇っている。 ああもう、本格的にムラムラしてきた。 「風呂入ってく…」 何か言葉を吐いていたサスケの唇に噛み付いて、ゆっくりと口内を蹂躙していく。 それから、息の上がったサスケを楽しみながら、頬を流れるクリームを舐め取った。 「お前が悪いんだよ」 「ケーキ、作るんだろ」 眉間に深く刻み込まれる皺は、本気で嫌がっているのか癖なのか…、と困ったような笑顔を見せながらカカシは思う。 「でもほら、スポンジが焼けるまでまだ時間あるし」 「そんな時間は無い」 「やだな〜、サスケくんったらもっとじっくりHしたいって〜?」 「そんなこと言ってない!アッ!てめえ!!!」 クリームの飛び散った部分を集中的に、舌を這わせた。 耳の後ろから首筋にかけてのラインは、サスケに良く効く性感帯なのである。 それを証明するかのように、身を屈めてしがみついてきた。 「では、いただきます」 「20分だけだからなっ!」 オーブンに表示されている終了時間を指さして、サスケが叫ぶ。 「大丈ー夫。俺早漏だから」 どこが、と愚痴らずにはいられない。 いつも3:1ぐらいの比でこっちがイかされているというのに、だ。 そうこうしている内にも、カカシに服はどんどん脱がされていく。 よくもまあ、片手でこんなにもスムーズに人を裸にしていけるものだ…。 この余裕たっぷりの鼻歌がまたムカつく。 「早く脱がして洗っちゃわないと、しみ残っちゃうかもね」 「別に、いいっ」 小さな身体を可愛らしく飾る小さな桃色の乳首を尖らせた舌先で軽く突つきながら。 刺激を咥えるたびに強まる硬度と色づきを楽しんで。 「あーあ。お前もいつか俺を捨てて誰かのものになっちゃうのかなー」 「それはこっちの科白じゃねえのか…?」 男も女も関係なく、手を出しまくっている奴に言われたくはない。 「何言ってんの。俺、お前にハマってからお前一筋よ?」 愛に目覚めちゃったっていうの?なんて軽口を吐きつつ、バサッとTシャツを脱いでいる。 いつもいつもいつも、憎らしいほどにこのシーンでドキンと胸が高鳴ってしまうのだ。 外身も中身も一見頼りないのに、裸になった今の、案外引き締まってがっしりとした身体、なんて犯罪だろう。 自分と同じ男のものなのに、ついつい見とれていれば…。 「ますます抱かれたくなった?」 ポーッとしていた脳内が、ハッと我に返る。 ごそごそと、下着ごと短パンも取り去られて、弱々しく震える股間へと指を伸ばされていた。 大きさはまだまだ小ぶりでも、一生懸命天を仰いでいる姿がサスケ本人と被って愛らしい。 「残念ながらあんまり時間がないからな〜」 チラリと横目で確認したオーブンの表示時間はあと15分。 もっといじってやりたいんだけど、なんて言いながら巧みな手技で早急にサスケを快楽世界へと誘っていった。 「んっ!あ、ああっ!」 ぎゅっと抱き締めるカカシの背中に、自然と爪が食い込んでしまう。 吐き出した精液は全て手の平に絡め取られていた。 「飲むなよ」 「どうしようと俺の勝手です」 耳朶を齧りながらの抗議も虚しく交わされ、白濁した液はカカシの喉元を通り過ぎてゆく。 「ねえ、もう挿れていい?」 つんつんと、自分のものとは比べ物にならないほどの質量を誇る生殖器で肛門を突つかれて。 ここで首を振ったって止める気なんかないくせに、いつも聞いてくるのだ。 早く、と頷けば、よいしょと抱き上げられて、流しの前に立たされる。 「何?」 「いいからいいから。ちゃんと掴まってて」 「?!」 開かされた足の間を割って、カカシがそこに座るのがわかった。 後ろで何やらごそごそとしている、気配だけが伝わってくる。 「ちょっと、何ヤってんだよ…」 「前向いてろって」 「なっ!」 ぐ、っと肛門に押しつけられた、冷たい、金属の感触。 まさか、と嫌な予感がしてきた。 「木の葉隠れ秘伝体術奥義、誕生日スペシャル!」 「や、やめっ!………〜〜〜〜〜っ!!!」 押し込まれた金具も気持ち悪いが、それよりもっとぶわ〜っと奥に侵入してくる生クリームが最高に気持ち悪い。 生温かいような、冷たいような、そしてそれが直腸の熱によって溶けていく感じまでもが伝わってくるのだ。 「き、気持ち悪ぃ…」 「そんなことないよ。美味いって」 サスケ風味、なんて言いながら、肛門から滴ってくるクリームを舐め取っている。 それから、尻を割って、露出した薔薇色の蕾に直接口をつけて吸い出されて。 どんなに気持ち悪くとも感じてしまうこの身体が憎い。 確かに、流しにしがみついてでもいなければとっくに崩れ落ちていただろう。 「この、変態!もう…」 「もうちょっと?まったくスキモノだねー、この子は」 「違うっ!」 「しょうがないな、もうちょっとね」 絞り袋に残ったクリームを、全て直腸内に流し込まれた。 「う、んんっ!」 「ほらほら〜、美味しいよ〜」 「味なんかわかるか!バカ!!!」 「美味い。…ね?」 「うあっ!」 突如、身体を突き抜けるように走った痛みは、ためらいも無く最奥まで侵入してきた無骨な中指のせいだと、感覚だけでわかってしまう。 「上手いでしょ?」 「ふざけ…っ!」 「さっきからお前文句ばっかりね…」 そういう子はお仕置きだな〜、とか何とか言いながら、ぐちゃぐちゃと卑猥な音を立て続ける中指が、場数を踏んでこそ解かるサスケの弱点を的確に突いてくるのだ。 「く、うっ…、もう、無理…」 ずるずると崩れ出した小さな身体を、肛門に挿入したままの中指一本で支えて。 カカシ自らも立ち上がり、それと最高点に達した陰茎とを挿れ替えた。 「ゔ〜〜〜っ!」 何度挿れられても、どんなに解されても、カカシのものが入ってくる瞬間は痛くて仕方がない。 もうちょっと小さくてもいいだろうと思う程に、彼自慢の立派な生殖器は明らかに初心者向きの大きさをしていないのである。 「もっと奥まで入れちゃうから」 あとは、サスケを快楽を与えて痛みを忘れさせるしか方法は無いのだ。 ぐっ!っと、流しに叩きつける勢いで、腰を打ちつける。 「あ、ああ、う゛…」 カカシの、太いものが前立腺に触れ。 ほんの少しだけ刺激しては出て行ってしまう。 いつしか、 「もっと、そこ…っ!」 なんてことを口にしていて。 「どこ?そこじゃわかんないな〜v」 なんて嬉しそうに耳朶を甘噛みしながら、ちゃんとわかってる『そこ』に柔らかい陰茎の先を擦りつけてくる。 途中、大きな音を立ててアルミのボールが落下し、二人とも頭から生クリームだらけになったりもした。 それに負けないくらい大きな声で笑い合う。 背中も、腹も、接合部も全てが色んな液でぬるぬるで、射精する寸前で抜かれたカカシを咥えればほんのり甘い味がした。 「サスケ味ってヤツ?」 「違うバカ!」 「おかしいなあ、いつも甘いんだけどなあ」 「あんた甘いモン、嫌いなんだろ」 「コレは別でしょ〜!」 言葉の勢いに任せて、頭をぐっと圧される。 思わず咽頭にまで届きそうになって、むせるのを必死で押さえ込んだ。 「こっちおいで」 「ん…」 言うことを聞かない腰を引きずり、跨いだカカシの身体を四つん這いのまま登っていけば、未だ天に向かってそびえる杭のところで足を払われ、当然そこに尻もちをつく形となる。 だからといって、拡張しすぎた秘部は痛みがあるわけでもなく、ただ重力に任せてずぶずぶと杭に打たれた身が沈んでいくだけだ。 「もう、だめだって…」 何度吐き出したかもわからないほどに搾り取られたサスケのものはすっかり萎えて下を向いてしまっている。 「なんで」 それなのに、直もぐいぐいと股間を押しつけてくるカカシのものといったら、一番初めよりは一回り小ぶりにはなっているものの、太さも堅さも充分すぎるほど。 「これ以上やったら壊れる」 あんたと一緒の基準で犯るな、この種馬!と、どろどろに白く汚れた手でカカシの頬を抓ってやった。 「種馬だなんてひどい…」 そんなことを言ってる間も休むことなく腰を動かしているのだから、フォローのしようがないというものである。 「カカシ!」 「はいはい、もうやめるよ」 サスケを一旦抱き上げ、自分も上半身を起こして。 むっつりと頬を膨らませている、可愛い、けれど汚れた身体を抱き締めた。 「お前が壊れたら困るからもうしない」 ちゅっと鼻の頭に口づけてから、今だ胡散臭げに睨んでくる漆黒の瞳を至近距離で見つめ返す。 コツンと音を立てて、そのままぶつかり合う額。 「なんか、もう一生ケーキ食いたくねえ…」 「ケーキ『自体』は食ってないんだけどねえ…」 いいかげん吐きそうだと口元を抑えるサスケに苦笑しながら、焦げ臭さを漂わせるオーブンにチラリと目線を送った。 きっと、中は想像通りのカオスが広がっていることだろう。 床も身体も、だんだん水分が蒸発してきたためか粘着力が濃くなってきた。 それも動きにくいほどに。 「もちろんあんたがこれ掃除すんだよな」 「…はい、もちろんです」 「オーブンも壊れたんじゃねえのか?」 「…はい、新しいのを後日買ってまいります」 「フン、ったくどこもべたべたで気持ち悪りいな…」 ものすごい数の皺を眉間に寄せて、あんたはいつもやりすぎなんだと怒っている。 そんな膨れてる顔も可愛いななどとほくそ笑みつつ、 「じゃあ、その汚れたお身体も俺が綺麗に掃除するってのでどうでしょうかね、姫」 と、濡れて赤みの濃くなった唇をぺろりと一舐めしてみた。 色んな味がして、甘い。 「あんたって、ほんとしょうもねえな」 「そう?」 腹立たしいほどににこにこと幸せそうに微笑んでいるカカシの銀髪をくしゃりと掻き上げて。 露出した耳に顔を寄せた。 「そんなの当たり前だ、ばーか」 「!」 それからカカシの表情を覗き込めば、らしくもなく目を見開いて驚いている。 が、勝った…、と優越感に浸る暇もなく、気づけば意外とがっしりした肩に担ぎ上げられていた。 「やっぱり!サスケがそう言うんじゃないかな〜って思って、俺風呂沸かしといたのよね」 ヨカッタ、無駄にならなくて♪と鼻歌混じりにどんどんどんどん風呂場に向かって行く。 「ちょ、ちょっと待て!やっぱり俺一人で入る!!!」 「何言ってんの。俺だって気持ち悪いんだよ」 「じゃあ先に…っ!うわっ!!!」 バシャーン!と、大きな水飛沫を上げながら、湯船に放り込まれた。 「お言葉に甘えて、お邪魔しますv」 ムカつくほど嬉しそうに、カカシもそこに入ってくる。 「信じらんねえ…」 こんなのに惚れた自分もきっとどうかしているのだ。 浴槽の中でごろごろと抱きついてくるカカシのガキ臭さに、思わず口角が緩んでしまう。 何はともあれ、誕生日にこんなに笑ったのは久しぶりだったような気がした。 END |
BACK<<<